小幡です
今日は作業療法学科4年生の2か月間の臨床実習報告会をここいるで実施しました。
祐愛全てのスタッフに声をかけて、できるだけ多くのスタッフが参加できるようにしています。
作業療法士以外のスタッフももちろん参加します。
経験を積めば積むほど陥る危険な状況。
なんとなく評価できてしまうという状態。
「これでいい」という感覚。
実習生指導は、私たちが「丁寧に評価する」とはどういうことかを振り返ることができる時間です。
今日の報告会も、
実習生さんのための報告会のようで、
祐愛スタッフのための報告会でもありました。
このような研修の機会は、
実習生さんが来てくれないとできない経験です。
ありがとうございました。
お昼休み、ここいるに戻ると、こんな光景が
ラップの芯 と OT服部先生 と OT長谷川先生
ラップの芯がストローになったり
鳥居になったと思ったら
ねじねじねじ・・・
ねじが巻けたら
動き始めました。
ただ遊んでいるだけのように見えますが、
これってたくさんのイメージする能力が必要です。
「ラップの芯」はストローと細長いところが似ている。
「ラップの芯」を組み立てると
「鳥居」と似たような形になる。
そして、ぎりぎり自分の頭を通せそうな大きさだと認識できたからくぐってみる。
「ラップの芯」を組み合わせると
「ねじ」と似たような形になる。
そして、自分の手を使って、この2本の芯を組み合わせた状態で回すことができそうだからやってみる。
簡単にイメージを広げていた
服部先生と長谷川先生でしたが、
イメージを広げるためには、
本で学ぶ、例えば鳥居とはどういうものか、ねじとはどういうものかという知識だけでなく、
自分の体を使って育っていく、ボディイメージという能力とつなげることが必要です。
お子様の遊びが広がらない、、、
お子様が同じ遊び方ばかりにこだわる、、、
お子様が提示される活動に取り組もうとしない、、、
もしかしたら、
(他にも理由はありますが、)
イメージする力が関係しているかもしれません。
そんな時は、
1つの道具でいろんな遊びをやってみてください。
例えば、フープ
並べてジャンプしよう
縄跳びみたいに回してみよう
腰の位置で持って電車ごっこしよう
投げて輪投げしよう
次はフープでどんな遊びをする?
いろいろなおもちゃで遊んだり、
いろいろな場所に行って過ごすことも大切です。
ただ、
見える環境を変化させてばかりだと、
見て把握しにくい「自分」に意識を向け、変化させる経験が積みにくいことがあります。
自分の体をイメージする力が育ちにくいのです。
医療機関で働くことが多かった作業療法士に
地域でのお仕事が増え始めたころ、
その環境は整っておらず、
私は施設の一角で作業療法することがよくありました
自分で持参した一つのかごに詰め込んだOTグッズと、
提供された空間と、
対象となるお子さまと、
自分。
制限された空間で楽しめる支援を実施するには、
その子のイメージする力を育てる必要がありました。
自分のイメージする力も伸ばす必要がありました。
物や空間を変えることはできないけれど、
私とお子さまは変わることができる。
イメージする力を育てることができれば、
限られた空間でも楽しむことができたのです。
「自分が変化する(育つ)」ことが楽しいんです。
祐愛の運営方針の1つ「できるじゃん」です。
そういうことを、
たまたま自分が生きてきた時代の流れの中で、
偶然経験し、知ることができました。
「もの」や「空間」ももちろん大切。
ただ、
それだけに頼らない支援者でいることを祐愛は目指していきます。
これからもよろしくお願いいたします。
おしまい。